苦労と喜びが表裏一体の介護職について。

介護職として働く上で大変なことは、まずは体力的な苦労があるということだ。介護職はデイサービスといった日中のサービスのみではなく、夜も支援を必要とする施設もある。そのため、不規則な勤務をしなければならない職場もあり、体のリズムは崩れやすい。

また、休みの日に職員会議や研修に出なければならないこともあるし、現場では、自分と同程度、もしくは自分よりも重い人の身体を支えたりすることもあるため、腰や腕を痛めてしまうことも少なくない。そのため、スタッフの負担を軽減するために、スライディングボードやリフトといった道具を導入している施設もあるが、それでも介護士の身体的な負担は大きい。しかも、相手の感情に振り回されてしまうこともある。突然利用者が泣き出したかと思うと、別のところでは怒り出す人もいる場面に出くわすことも往々にしてあるだろう。自分が良かれと思ってかけた言葉が相手を傷つけ、暴言となって帰ってくることだってある。他にも、利用者から信頼されるのは有り難いが、依存されてしまい、特定のスタッフを始終探したりしてしまう利用者もいる。介護職の苦労は、体力的に大変であることと併せて、利用者の感情に振り回されるというところにある。

しかし、困っている人の支援をする仕事であるがゆえに、利用者や家族から感謝されることも多い。自分が手を差し伸べたことに、「ありがとう」とお礼を言われるとやりがいを感じることは介護職の喜びだ。一緒にどこかに出掛けたり、一緒に何かに感動したりする活動を行うことにも楽しさがある。苦労と楽しさは、表裏一体で存在するのだ。